ミラノ・クレモナ・パリ  その

ミラノ・クレモナ・パリ そ
 
ミラノ万博の見物を終えた我々は、1日だけ残ったイタリアの休日を使って楽器の街「クレモナ」へ出かけました。ミラノから列車で1時間ほどの日帰り圏。音楽好きな方なら誰でも耳覚えしている街、クレモナ。そこは
ストラディバリウス、アマティ、ガルネリなど弦楽器を弾く人すべてにとって魂を天上へと誘う楽器を作り出した人々が住み、活躍した街なのです。

弦楽器は聴くだけ、の私だってこういうチャンスを逃すテはない、という訳です。倖三クンは何が何だか解らないんだけれど、「行きたくない」なんぞと言おうものなら・・という事で、同行します。
 
 6月5日、この日も北イタリアは快晴でした。何たって、旅で有難いのは天気がいいこと。「お天気屋」という言葉がありますが、特に旅に出た時の幸・不幸は天気に左右されますナ。この日も朝から抜けるような青空が広がり、旅人を幸せにしてくれました。汽車の旅は楽しいです。広がる山野と麦畑。俳句に「麦秋」という季語があります。日本では初夏、麦がたっぷりと熟れて、刈取りを待つのみ、という時期のことです。将にこの季語を満々と思い出させてくれる風景。俳句をひねったり、何が見えたの、何が咲いているだのとたわいもないことを言っているうちにクレモナに到着。
 町の中心は駅から10分程歩いた所らしい。歩いていると、高校生かな、という年頃の若者がどっと吐き出されてくる。どうやら昼休みの時間のようです。
「家へ帰ってお昼を食べるのかしら」「う〜ん、そういう話は聞いたことがあるけれど、お母さんたち、大変だよなぁ」なんてこちらの会話が相手方に通じないのは、実に気楽です。それにしても坊やも娘たちも美しいねぇ。どこの国でだって、若者は美しいのですが、目の当たりにするとますます感嘆してしまいます。若さが眩しい、と
言うことは、自分らが若くなくなったということ。ハイハイ、そうですわね。

 中央に着くと、楽器博物館を探します。稀代の名器が集まっているというのですから、期待が高まります。
なかなか近代的な建物でした。英語の説明も丁寧で、楽しめる。「宝石箱」と名付けられた一室にはヴァイオリンを弾く人たちには、よだれがタラタラであろうと思われる、選り抜きの楽器が並んでいます。へえぇ〜〜、の連発で通り抜けまして。

出会ったのが大きな玉ねぎのような形の不思議なお部屋。入口には扉もなく、中は薄暗い。何だかとってもいいヴァイオリンの音が聞こえて来るので入ってみました。ベンチに座って天井を見ると。DVDが流れています。一組のヴァイオリンとピアノの奏者が「今、弾いている楽器はOO製ストラディバリウス誰それの作品」とか「こちらはアマティ・・・」といった具合に、聴き比べが出来るのです。
これはよかったですねぇ。将に陶然として聴き惚れてしまいました。
 
 街をぶらついていると、楽器を抱えたお嬢さんが吸い込まれて行く家から弦楽器の、いい音がする。つい、覗いてしまったらこれが楽器作りの工房でした。彼女は魂柱(ヴァイオリンの中に立ててある柱)の具合が悪いので調整して貰いに来たのだとか。イタリア語は全く分からない私たちですが、お互いに
あまりうまくない英語で何とか様子が解りまして。何だかこの街へ来た甲斐が
あったような気分になりましたよ。
 
 翌日は朝からバスで空港へ行き、パリへ飛びます。欧州内は一回だけの飛行機の旅。今回の旅の移動は、友人の車でだったり、1日がかりでブルゴーニュからイギリス・カンタベリーまで走ったりと、列車の旅が多いのですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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