行って来ました! ミラノ万博

2015.6月3日。ミラノは快晴でとても暑かった。中央駅のすぐ傍に宿を取った私たち。地下鉄で万博会場までおよそ30分です。駅を出て、大勢が歩く方向へついてゆくと入場券をチェックする場所があり、ネット予約でしかない私共は「あそこのコーナーで入場券と取り換えてきて下さい」と言われる。ハイハイ、と列に並ぶ。が、開場時間になっているというのに、ずらり並んだPCの前には人影がない。あぁ、イタリア!時間厳守じゃないのね。待つ。やっと番が来た。若い、いかにも「研修中」といった感じの青年が担当。私の差し出す予約票を睨んで真剣な顔で,キーを叩いていたが「マダム、あなたの予約が確認できないのです」「そんな筈はないでしょう!!!私はちゃんとネットで予約し、クレジットカードで決済もすましてある。そこにその受け取りもあるじゃないの!!」
きっとこめかみには、青筋も立っていたんじゃないかしら。私の剣幕に驚いて、脇からベテランが加勢に入り「申し訳ないのですが予約が確認出来ないのです」「じゃあ、その理由を教えて下さい。責任はどこにあるのですか?私が予約を入れて、お金を払った
アリタリア航空のミステイクなの? 私ははるばる日本から、今日、間もなく始まる友人のプレゼンテーションを見る為にやって
来たのよ! 間に合わないじゃないの。どうしてくれるのよ」こういう時はガンガン叫ぶのです。英語の巧拙なんかにこだわって
いてはいけません。喧嘩は勢い・ですから。負けちゃあいけない。

結果。「あなたがお支払いになったことはこの受け取りで証明が出来ているので、今、あなたのクレジットカードにご返金しますから、誠に申し訳ありませんが、もう一度ここでお買い求め頂けませんか」「まぁ、仕方がないわねぇ。で、私が買った値段と同じ
なの?
」「いえいえ、こんなご迷惑をかけたのですから、この値段では如何でしょう。ご納得いただけますか」と、きわめて丁重なご挨拶。提示されたのは、正価から見るとかなりな割引率。うむうむ、それなら払いましょう、と。しかし、ね。後でクレジットカードに返金されているかを確認する日までは、喜んじゃいけませんけど。 外国旅行というのは、このテのトラブルは
日常茶飯事。こういう小さなケンカを楽しむ位にならないといけません。

さて、やっと入場。荷物検査の長い列に並ぶ間も太陽はじりじりと照り付けます。でも、お客さんは楽しそうで、イライラする様子もなく並んでいる。とにかく、いろんな人がいます。
私はこういうのを見るのが大好き。ツァーで来れば別の入口からサッと入れるのかも知れないけれど。
 
 会場内には中央に大きな通路が通っていて、日本館はほぼどん詰まりに近い、と友人から聞かされていました。歩く。歩く。通路の上は高いテントになっていて、イタリアの太陽から人々を守ってくれます。左右に国旗が立ち並び、国名を確認しながら進む。へぇえ、世界は広いわねぇ。聞いたことはある国名だけど、どこにある国だったっけ。なんて倖三と話しながら進みます。それぞれに意匠を凝らして人気を競っています。道の真ん中に、所々展示スペースが設けられていて、魚、肉、野菜の飾り物が面白くディスプレーされている。なかなか、凝ってますなぁ、と楽しく見物。右に左に現れる食べ物屋台にいちいち引っかかりそうになる倖三のシャツの裾を引っ張り戻しながら前へ前へ! だって、彼が大変な思いをして作り、盛り付けた料理をディスプレーしたプレゼンテーションを見逃しては、元も子もありませんから。左右のパビリオンからは、選りすぐりの美女たちが「美味しいわよぉ、ちょっと
試食してみて下さいな。中に入ってゆっくり召し上がって下さると、もっと楽しいわよぉ」と呼び声しきり。倖三ならずとも、引っ掛りそうになるのですが、お祭りの夜店に連れて来てもらった子供を追い立てるごとく、急ぎます。
 
やっとたどり着いた「日本館」。入口は二つありまして、本体への入館を待つ長い列と、自由に入れる「イベント広場」へのルートに分かれます。素晴らしい松の大盆栽を中央に眺めながら広場に入ると。日本料理屋さん風な店、カレーを出す屋台などがあり、
ステージが設営されている。なかなか立派な演出です。「日本の食卓・日本の食器」という題でのプレゼンテーションは沢山の聴衆を集めて盛会でした。倖三の料理も、とてもきれいな写真に仕上がっていて一安心。

 
 3回程のプレゼンテーションの合間に、すぐ隣のロシア館をまず訪問。超大国ロシアですが、今回は「食の万博」ということで、あの広大な国で採れる穀物(現物らしい)を地図のエリアごとに薄い壁のようなショーケースに落とし込ん展示する、という面白い
工夫。
 
 地元・イタリア館は元より広大なスペースを占めていて、ビールやらお得意の食べ物を宣伝販売している。別棟のワイン館はものすごい数のワインが並んだショーケースを設営して、試飲を呼び掛けています。開催国だけあって、気合が入ってます。唯、試飲のお値段がちょっと高いのが玉に傷!
 
 万博・というものに初体験の私たち、まったくの“おのぼりさん”状態で何を見ても珍しくキョロキョロし歩いたのですが。ここで感じたことは、「なるほど、万博とは将に国威高揚、国力誇示の場でもあるのよなぁ」ということでした。まずパビリオンのデザインの魅力、規模、運営の力・・・ すべて国の経済力の反映だ、ということでした。
 
 そうした中で、日本館の中身は大変立派なものでした。 「うーむ、やりおるわい」という感じです。映像とディスプレーのエンターテイメント性、内容の充実。着想がシャープだし、言いたいこと・の持って行き方もうまい。制作者たち優秀だわ、と本当に感心しました。お金もかけています。これは大切なポイント。かけるべき所には、しっかりお金をかけないといいものは出来ない
からです。
加えて、コンパニオンたちの真剣な努力には感心しました。
 
 帰国後、読売新聞に大きな記事が出た。曰く、「ミラノ万博で日本館の評判が上々だそうな。“入ってみたいと思うパビリオン”のトップに挙げられ、“ここを見たことにより、訪ねてみたい国”
のトップにも挙げられた」と言うのだ。しかも。「そのもてなしにおいて他の追随を許さない。自分のことよりも相手のことを先に考える精神は他には見られない素晴らしい点だ」と。 大阪の俳句仲間の女性が、日本館でコンパニオンとして働いており、その彼女の事前情報の詳しさ、かゆい所に手の届く、現地でのご案内に大感激、大感謝、であった倖三と私は、本当にこの記事が嬉しかった。「やまとなでしこ」は女子サッカーだけではありませんで、万博という世界への発信チャンスの場で、十二分にその力を発揮していたのでした。
 
 
 
 
 
 
 


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