新春の京都を歩く

新春の京都を歩く               文責: 京子

お正月の気分もだいぶ薄れた1月13日、私は思いがけない経緯で新春の京都を歩く幸運を得ました。
月に一度、私は仕事の旅に出ます。 名古屋・京都・大阪・博多と廻るのです。
しかし、この月はこの時期特有の事故が。「すみませ〜ん、インフルエンザの直撃くらいまして」「子供がインフルエンザで。私は、どもないんですけど、熱の高い子を置いといて、出る訳にも行きませんで・・・」はい・ハイ、ゆっくりお休み下さい、としか言いようがありません。しかし、直前のキャンセル位

困るものはありませんでね、カリカリしてるんですが、かと言って、明日の夜には、大阪の生徒が来る訳だし、東京の家へ帰る訳にもいかない。 こういう時は生来の楽天家が顔を出します。
じゃ、冬の京都の寺巡り、行ってみようか! 

というんで新幹線に飛び乗って京都へ。さすがに人は少ないですナ。ロッカーに荷物を預けて案内所へ。客の少ない時期を乗り切る特効薬、「京の冬の旅」という企画が行われていることは知っていたからです。
20数年も通いなれた京の街、「どの道を通る何番のバスに乗って、どこで降りろ」と言われれば、大体自分の立ち位置は解ります。で、狙ったお寺は「本法寺」。法華宗のお寺で、本阿弥光悦の父と開山の日親上人が肝胆相照らす仲となったことから、本阿弥家の菩提寺になった、とのこと。



バスに運ばれて降りた所は、堀川・小川町。表千家の家元へ行く時に降りる
バス停です。私はまだ入れて頂くような者にはなっておりませんが、この辺りは茶道具やさんも多く、前に何度か道具屋へ来たことがありました。
堀川通りと小川町の角に「表千家会館」があります。大きな大きなウィンドーに飾られた大王松があんまり見事なので、ちょっと入ってみました。
華やかな新春の飾りつけ。こういうのを見るだけでも気持ちが大きくふくらみますね。中の展覧は、千家十職の家々が、新年のおめでたい作品を出しておられます。永楽家の「たけのこ」の意匠の皆具! 美しかった。しばし眺め入ってしまいました。
 
袋物師・土田友湖家出品の出し袱紗。それは見事な塩瀬の地にめでたい意匠のそれは、普段、私共が手にし、使い慣れている物とは少々出来が違う、ということがウィンドーのこちら側から感じられる逸品でした。
 
 ふらりと歩いて、こういう物に会える「お散歩」は実に楽しい。
 
 ほんの少しで表千家・家元があります。写真で見ていた建物を眼前に見ると一寸緊張。おまけにその日はどうやら「初釜」が行われているらしく、門の前には整理の方の姿が。又、大きく開かれた門の中では高張提灯と
幔幕が見え
その辺りでは受付が行われている模様。「へぇ〜〜、常々先生に伺っている、これが京都・家元での初釜かぁ」と、隅っこの弟子・と致しましては雰囲気のお裾分けを頂戴して来ました。
 表千家御門の前に「千利休居士遺構」の碑。
 
少し歩くと裏千家があります。こちらには「千宗旦遺構」の碑。
なるほど、ナルホド。 茶道史のお勉強会で教えて頂いたことを思い出す。
そうそう、三代・宗旦から別れたのか・・・と。
 
 さて、本法寺。静かな境内に人の影は少なく、オフ・シーズンの寺巡りはいいですねぇ。学生さんの
ボランティアガイドが初々しい。8年前まで教えていた同志社女子大学で、学生がこの「ボランティアガイド
試験」に挑戦して
いた姿を思い出しました。歴史の街・京都ならではのこの制度、いいですねぇ。
唯、売り物の筈の長谷川等伯筆「涅槃図」がレプリカであったのが残念。
三大「涅槃図」と言われる名品だそうですから、そうそう本物を出せないのは解るのですが、(3月15日の
釈迦入滅の日を中心に、本物を公開するそうです)
このレプリカの質が悪い!ちょっと問題ですね。
 
 と、まあそんな具合の寺を出て、もう一つ近くに廻るつもりが、3時20分
ともなると、冬の日差しは妙に寂しくなって来ましてね。まぁ、あんまり無理をしないで大阪の宿へ、と思い
直してバスに乗りました。

 
 毎月の関西通いながら、常は全くゆとりがなく、東京から新幹線で着いたらまっすぐ仕事場へ入り、時間に
追われて京都市内をかすめて大阪へ、なのです。今回の「キャンセルの山!」もこういうプレゼントをもらったと思えば、悪い事ばかりではなかった訳で、たまには、これもよろしい。

 
 


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