濡れ灰を作る

 さあ、夏だ!という時、それは「あぁ、あの酷暑との戦い」ということなんです。お茶事を楽しむためには。
土用の、その暑さの盛りに作っておかなければならないものがあるんです。「濡れ灰」(私ども表千家流ではそう呼びます。)お裏さんの方々は「湿し灰」ともおっしゃるようですね。
11月から翌年4月までの「炉」の季節、釜の湯をたぎらせ続ける為に炭をつぐ。その「炭点前」の時に使う灰は、この盛夏の太陽が作らせてくれるものだからなのです。

母が毎年作っていた時は、「子供の遊びでもあるまいに、なんでこんなヘンな泥団子を並べているんだろう」という程度の認識でした。これが、炉から上げた灰を水簸して乾かしているのだ、とは知らなかった。ましてや、それに番茶を煮だした濃い〜い汁で色をつけるのだなんて。
これを「手を取って」教えて下さったのは裏千家の飯島宗章先生でした。「こうこうして、こう番茶を煮て・・」と言ってもらっても、そこはやっぱりいっしょに灰を洗い、上澄みの水を捨て、干して。
番茶を煮詰めるにしても、どの位の水にどのくらいの茶の葉を入れるのか。また、どの位の時間、どの位の火で煮詰めるのか。実際に一緒にやって頂けた幸いは素晴らしいものでした。

2回の夏を一緒に過して、どうにか真似して作れるようになりました。ここ3-4年は一人でやっていたのです。
そして今年。飯島茶事の面々から「今年は見せて頂きたいわ」との
声。 うぅ〜ん、結構大変なんだよなぁ、この暑さだし。(一人で
パパッとやっちゃうほうがラク)というにが本音でしたが、「そういうことではいけない。あなたが教えて頂いたことを、他の方にお伝えするのを渋るなんて、オマエはなんてヤツだ」と、頭の上で誰かが怒っている。仕方がない。と、諸々の準備にかかる。
やっぱり、仲間がいるのっていいことです。「一人でパパッ」だったらちょっとサボりそうな手順もちゃんとやりますから。

先生にも来て頂くことになり、準備万端整った当日。「お〜い雨だぞう」の夫の声! エェッ、と外を見るとパラパラと。
あ、う〜んですよ。しかし、こればっかりは。お天と様にはかなわない。そして、明日。今一度、の日がやって来ます。さぁ、どうなりますか。

お茶事って、こんなに見えないところで人の手間がかかっているんです。「お心入れのお灰で」という、茶席でのセリフが、本気で言えるようになる、というお土産を楽しみに、明日、ガンバリます。
本来の「土用」をはるかに過ぎた今、「おや、まあ、今頃かい?」と
目を丸くしている母の顔がちらつきますが。

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ご報告。今一度の挑戦は見事な晴天に恵まれて、大成功。
飯島先生はご都合でお見え頂けなかったので、さあ、度胸一番!大した経験もない癖に、一人で音頭を取らねばなりません。でも、集まって下さったメンバーがよいものだから、とても楽しく、手早くできました。人手が多い、というのは有難いものです。

仕上がった濡れ灰を樽に詰めて「冷暗所」に収めた時の安堵感。
あぁ、これで一冬、炭点前が出来る、と言うものです。
ご一緒して下さった皆さん、有難う!


















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