素晴らしい出会い

 今年の正月、ご縁があってさるご社中の初釜の懐石を担当
させて頂きました。
日頃親しくしている方のご紹介です。前から「立派なお茶席で、お道具も素敵なのよ」と聞いてはいたものの、打ち合わせに伺い、いざ本番、と事態が進行して行くにつけ、こちらの
先生のお姿が見えて参ります。

 
 前日から、女房は許より、私の料理に心を寄せてくれて、
時間の許す限りの協力をしてくれる、嬉しい仲間を狩り出しての準備が続いていました。
 そして当日。少し早めに伺いますと、台所にはすっかり器が整えてあり、お茶人としては当然のお心入れとは言え、こちらとしては恐縮です。道具の結構も有難いことですが、私ども
職人としては、こっちの仕事をやり易くしてやろう、というお心遣いが嬉しいのです。

 緊張の内に仕事はつつがなく終わり、ご社中皆様から「おいしかったよ」と仰って頂いて、ホッと一息。荷物をまとめいると、「気のおけない内々の集まりですから、どうぞ席中も
ご覧になって。 今、一服点てますから」と過分なお扱い。
職人というものは、どこまでも“影の存在”ですから、これには全く驚きました。

 女房のヤツは、もとより諸々のお道具が拝見したくてウズウズしています。従いて来てくれた「助手クン」だって思いは
同じ。私だってそれは同様なのですが、こんな仕事着でお席へ入ろうなんて、考えてもいませんでした。
 しかし、「いえ、もう最後のご挨拶もした所ですから、どうぞ」と重ねて勧めて頂けたのを幸いに、三人しておそる
おそる・・・

 いやー、見事なものでした。 社中の皆様の気持ちのよい
雰囲気も、先生のお人柄の反映ですなぁ。 全く、職人冥利に尽きる仕事でした。

 
 それが正月の終わりころのことでしたのに、それをご縁に、何くれとお声をかけて頂き、ほぼ毎月替わる、お道具組みを
拝見に伺う、という幸運、光栄に浴しているいます。
人との出会いというのは、本当に有難い。
 人様の深い蓄積の傍に佇ませて頂ける幸せの、何というぬくもりであろうかと思うのです。
これぞ「茶縁」とでもいうのでしょうなあ。














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