初風炉の頃

  今年も釣釡を取りおろして、炉を閉じました。夫にも手伝ってもらいます。

軸を選ぶ、玄関から茶室周りの「室礼」を工夫するのは、料理人・倖三の大の愉しみなのですもの。

 

風炉に入れ替える準備は、心楽しくもあり、炉との別れに一抹の寂しさを思う時でもあります。

 

しかし、「初風炉のころ」というのは、一年で一番空気と風の色が明るい、実に美しい季節です。

青葉若葉の色と光が座敷の中まで差し込んで来て。

 

まずは道安風炉を出しました。 風炉になって。私が緊張するのは灰を押すこと。茶人(私は生涯、

そんな域には行き着けますまい。唯、好きで先輩を見習っているだけの者ですが)の修業の内でも、

なかなかに大変なのが灰型なのだそうです。 私は唯、せっせと練習している段階。それでも、

何とか、形だけは真似事でも整えませんと、稽古が始まらない。 何度も崩しては押してみる。

上手な方のは、本当に見事に美しい。ため息が出るだけです。 でも、何事もよい手本を見ている

ことが何よりですから先生のお稽古に伺う度に、ため息と共に目を皿にして・・・

 

そうこうするうちに、他流の稽古も始まって、いろいろ「見物する楽しみ」も増して行くわが家です。

 

表千家は初級と中級の入口まで、 裏千家は上級のお稽古。各コース、まだ若干名のゆとりがありますので

ご参加希望の方は、当HPの「お問い合せ」からお申込み下さい。

                           


表千家 茶道教室

“結”での表千家流茶道教室は、初心者が対象です。
まったく初めての方、歓迎。 また、「昔、ちょっと習ったの。でも中断して大分の時間がたった。
少し身辺も落ち着いたし・・ もう一度、お茶もいいなぁ」という方、歓迎。
最近、嬉しいことがありました。とても年若い(10代に入ったばかり)と、20代真ん中の
男の方が参加! いいぞ、イイゾぉ、なのであります。
当今、お茶・とは女のものと思われておりますが、元来は男性の専売特許だったもの。
お稽古の雰囲気もとてもキビキビして来ました。
どうぞ、覗きにいらして下さい。

現在、原則として水曜日に稽古をしています

当HPからお問い合わせ下さい。

湯木美術館春季特別展を見る

                                   (文責・京子)
湯木美術館は大阪の名料亭「吉兆」の創業者・湯木貞一氏が収集した茶道具を中心とした名品のコレクションで知られています。
今月・2014年5月は大阪での仕事が多く、また嬉しいことに仕事と仕事の合間に自由な時間がある、という幸せな仕儀となりまして。思い立って「海を渡って来た茶道具」というタイトルの春の特別展を見て来ました。副題に「名物記・茶会記に現れた唐物・南蛮・高麗」とあるのにも惹かれたのです。

湯木美術館はスペースとしては小さいのですが、それ故に心静かに器たちとの会話を楽しめる、まことに贅沢な空間です。
私が訪れた、5/9金曜日の開館間もない時刻は、勿体ない位の静寂がすっぽりと場を包み込んでくれていました。
誰にも何にも煩わせられないで、好きなだけ時間をかけてお道具を見つめ尽くしていられるのは素晴らしい時間。

⁑東山御物(ごもつ) 古銅桔梗口獅子耳花入
          これはガラスのこちらからでも「薄いなぁ・・」と嘆声を漏らしてしまう優美な姿をしていました。
          耳である獅子も実に精巧です。
⁑「砧青磁管耳花入」 何という色合いだろう、と思います。姿も美しい。
⁑小堀遠州が持ち、近代の大茶人 益田鈍翁が愛でたという、伝来も華麗な「唐物朱四方盆」
⁑そして、建盞「禾目(のぎめ)天目」。南宋の時代といいますから、12〜13世紀に中国で焼かれた茶碗を21世紀の日本で
 目にしている不思議さ。

 面白かったのは「尉か髭」という銘がつけられた茶壺(蓮華王印)です。これはガラスケースの中でゆっくり・ゆっくり
 回転しており、ある部分に大きな釉垂れがありまして、これが「尉(中国で謂う・おじいさん)の髭のようだ」というのです。
 命名者は、表千家八代家元・啐啄斎。茶道具の「銘」というのは、私どもお茶を学ぶものにとってはとても楽しい世界なの
 です。私はなくなった母と、よくいろんなものに二人だけで「ご銘」をつけて遊んでいましたっけ。
 それにしてもこの「銘」には「フムフム、なるほどねぇ」と一人でにんまりしてしまいました。
この美術館には、とても優秀な学芸員がおられるらしく、一つ一つにつけられた解説がとてもいい。私のような「物知らず」
にも、興味を引き出してくれるように書かれているのです。さぁ、メモ・メモ! その時は書きまくって来たつもりでも、
時が過ぎればあっという間にそれらのことは天空に四散してしまう、情けないオツムの持主なのですが、でも、その時は
ほんとにドキドキ、わくわく楽しいのです。

 後半の展示替えでは、唐物茶入「紹鷗茄子」が出るという。幸い、6/6〜6/29の間にもう一度大阪へ行く用事があるので、
 これは見逃せない、と考えている。
 私は「目利き」には全く程遠い者なのですが、唯、じっと美しいものを見ている時間が好きなんです。

 こうして考えると、日本はいい国ですねぇ。こんなにたくさん、観るべきものがあり、一般の者がそれを見せて頂けるのです
 から。


 

今、南坊録が面白い!

 女房が熱中しております「南坊録」のことを書きたい、と申します。読んでやって下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
はい、ちょょっと紙面を拝借して。

皆様、「南坊録」という書物のことはご存じと思います。

私の母の師・数江瓢鮎子(ご本名・教一)先生が、この本の註解書を
校訂・出版なさっておりまして、母は長きに亘って先生の「南坊録講義」を学びに通っておりました。「あ、
予習しなくっちゃ。明日は南坊録だから!」と、華やいだ声でノートを広げていた母の姿を思い出します。私も一度だけ、学生の時に数江邸で行われた「南坊録講義」に連れていってもらった覚えがあります。(ご自宅で、というのは大変珍しいことだったようですが)

千利休の身近にいた南坊宗啓という人が、師の言行、そこから見える利休の思想、又、師と交流のあった人々とのやりとりや茶会の様子などなどを書き記したものです。
(学問的な説明は、私にはとても無理でして、どうぞ書物に当たって下さい。本当に南坊宗啓が全部書いたのか、とかいろいろ議論はあるようです)

 母が亡くなって、私の書棚に居場所を移した柴山不言著 数江教一校訂「喫茶南坊録註解」上・中・下3巻に着目したのは夫・倖三でした。「おまいさんは学問するのが仕事なんだから、せっせとお茶の稽古に通うん
なら、お袋さまの勉強好きも引き継いだらどんなもんだ。折角あんな立派な本があるんだから」と。

「いやぁだ、南坊録ってのは、何だかやたらと難しいものらしいのよ。私なんかには無理、ムリ!」と相手に
ならなかった。
そうしたら。コンゾ君たら、自分のお茶の先生に言いつけたらしいんです。「女房のヤツ、最初から諦めて勉強しようとしないのはけしからん」と。そうしたら、先生が「いい所があるんですよ、南坊録を講義なさっているクラスが」と教えて下さった。

ここへ夫婦で行って見ました。しかし、日時とかいろいろ都合がつかずに間もなく挫折。 しかし、世の中
「知りたいの〜!」と旗を揚げておくと「ねえねえ・・」と教えて下さる方があるものでして。
現在は、場所的にも時間的にも通えて、しかも講義の内容が素敵な先生に出会えました。通うこと3年。

そうこうするうちに、「私たちは時間の都合で通えない。(お勤めをしておられる仲間たち)京子さんの仲立ちでいいから、どんなお講義を聴いて来たかを教えてよ」ということになった。
つまり「受け売り」をせよ、という訳です。最初はご辞退しました。
だって、あつかましいでしょ?学識高い先生のおっしゃったことを、私が正確に理解し、受け取ったかどうか
自信がない。何年かして「あ、そういうことだったの」っていうことはとてもたくさんあるものですから。そうしたら、仲間は有難い。「教わったことをしゃべってみると、整理される、ってこともあるじゃない?私たちはそれをきっかけに本を読んだり、もっと調べたりするから大丈夫よ、やってみて」と言って下さる。

そして、わが“結”における「受け渡す会」も30回を越えました。
しゃべらせて頂く私も、聴いてくれる仲間も随分慣れた。
そして、ますます面白くなっています。

 最近(と言っても初版は2009年)素晴らしい本が出版されました。
私の大尊敬する熊倉功夫先生の「現代語訳・南方録」。
(この本の表記は南坊録、と南方録との説があるとか。)
この本は実に読みやすい。私のような素人の理解を助けてもらえること、夥しい。有難い本です。

 それで今では、私が仕入れてくる某先生からの講義録と(これもまた、実に興味深いことを沢山教えて下さるのです!)熊倉本を読むことと並行して勉強している。

 お茶の勉強の醍醐味をつくづく感じています。
そして、飽きずに一緒に勉強してくれる仲間の有難さ。それぞれにご自分の出会った本や、展覧会からの情報
などを交換し合って「へぇえ〜、そうなのぉ」と。
 
まだ幾人か、仲間をお迎え出来ますから、興味のある方はお問い合わせください。

  
 所:      文化伝承空間“結”  東京都練馬区
 次の開催日:  2015年 1月10日(土)17:30より
 参加費:    2500円 (倖三手製の軽い食事付)

 
               文責・  佐藤(土田)京子
 
 


 

少庵400年忌記念 特別展を見る

 (今回も女房殿が書かせてくれ、と・・)

有難いことに、私・京子の本職である音楽の仕事が京都にございまして、毎月一度京都へ足を踏み入れます。大抵はまるで"宅急便"にでもなった気分、新幹線で京都駅に着くと仕事場へ直行・直帰!  都の花も
紅葉も、ここ数年みていない、といった按配なのですが。

何はさて、古都の駅へ降り立ってはいるのだから、何とかこの400年忌の展覧は見て来たい、と思い立ちました。
私ども表千家の「同門」という雑誌に、熊倉功夫先生が「少庵」を連載しておられます。私の先生のお稽古場でもいろいろ話題になりました。今月・9月は裏千家の茶道資料館で、10月19日からは表千家北山会館でそれぞれ展示が行われます。而妙斎宗匠が「早いうちから蔵に入り、ゆかりの品々を選んだ」とお書きになっていました。
裏千家、表千家のお蔵に静かに時を過ごして来た名品が、400年忌
故にこもごも取り出されて私どもも拝見出来る。こんな有難い折は
そうそうありますまいから。

四条河原町で仕事を終え、12番の市バスの乗りますと1本で「堀川寺ノ内」というバス停まで連れて行ってくれます。
折から、すぐ近くの表千家家元では天然忌が修らせれていたようで、正装の方々が一人また一人と出ておいででした。(9/13だったのです) 出展の品々、一つ一つに風格があって面白かったのですが、
少庵が写したという「利休遺喝」には心奪われて立ち尽くしてしまいました。井ノ部康之 の小説を読んでいましたから、この軸の前を動けなくなってしまったのです。

それと、少庵には義理の甥に当たる、千家三代・宗旦が描いた軸。
細身の軸なのですが、まず上に 少庵 の二文字。その下に墨染の衣を纏い、杖を引いてうつむいた姿で現された少庵。 一面識もないご婦人に、いきなり「いいわねぇ、これ」と問いかけられたときは面喰らいましたが、表千家の天然忌に陪席してのお帰りだというその方の感激振りも、思い出になりました。

少庵の消息も随分いろいろ出ておりました。が、まぁ、読めない!
こういう展覧会は有難いことに下に読みが書いてございますから、意味、内容は判るのですが、照らし合わせて見ているのに、その文字がどこの座っているのかを見つけるのはなかなかに難しい。
しかし、じっと目を凝らしていると、何だか親しみを感じてくるのです。きっと、こういう勉強を主に専攻なさる方は、日がな一日眺めて暮らしていると、少しづつ仲良くなれるのかなぁ、なんて役にも立たないことを考えてゆっくりと、静かな館内を歩きました。

こういう時間もいいものです。
来々月、11月には表千家の展覧を拝見し来よう、と秋は楽しみがたくさんです。


お茶のお稽古

 “結”では、二つのお流儀の稽古が行われています。

つは 裏千家 飯島宗章先生による 初級・中級・上級 のお稽古です。

 飯島先生は、わが“結”の「茶事教室・ご指南さま」。
実に熱心に茶事をなさっていらした、そのご経験の蓄積は素晴らしいものがあります。 
私どもでは、およそ2か月に一度、先生のご指導で「茶事」を経験させて頂いてきました。
 加えて、初級者・・・ まったく初めて、という方
     

 中級者・・・ 「以前、ちょっと稽古したのよねぇ。でも随分、
         間が空
いてしまって」と
いう方。 
           「結婚でまたは転居でお稽古が中断してしまって 
         再開の
きっかけがつかめない」なんて方に
           お勧めします。


       
  各クラスでのお稽古を始めて頂いて、2年半ほどが経ち
 ました。


  みっちり稽古した頂いた後は、質問もさせて頂けますし、お稽古仲間の雰囲気も良く、
  私・倖三
から見ていても気持ちのいいお稽古場です。

  まずは一度、お稽古の様子を見学なさることをお勧めします。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 もう一つは 表千家講師  土田宗京 による初級教室

  こちらは初心の方が中心です。

  原則として、第一・第三 水曜日 に稽古をしています。
  


稽古の約束事など、詳しいことはお問い合わせ下さい。 
 →お問い合わせはこちらまで    

今月の裏千家・茶事は「茶飯釜」

 「茶飯釜」という茶事をご存じですか? と尋ねると、沢山のお茶を学んでおられる方々が「はぁ、・・・そういうものがある、と聞いたことはあるのですが・・・」と仰います。
 本当に見、聞きした方が案外に少ないらしい。 お流儀によっては「当流では致しません」と言われたこともあります。

 
私どもの飯島宗章先生は、本当にいろいろなお茶事をして下さいます。今回の「茶飯釜」も我が家では2度目の経験です。
残念ながら、今回も早くから満席。 今からはお誘い出来ないのですが、これからは、このHPにも次回の日程を掲げますので、志のある
方はご注目。早めにご相談下さい。

      2013.3.5.   席亭  佐藤倖三

素晴らしい出会い

 今年の正月、ご縁があってさるご社中の初釜の懐石を担当
させて頂きました。
日頃親しくしている方のご紹介です。前から「立派なお茶席で、お道具も素敵なのよ」と聞いてはいたものの、打ち合わせに伺い、いざ本番、と事態が進行して行くにつけ、こちらの
先生のお姿が見えて参ります。

 
 前日から、女房は許より、私の料理に心を寄せてくれて、
時間の許す限りの協力をしてくれる、嬉しい仲間を狩り出しての準備が続いていました。
 そして当日。少し早めに伺いますと、台所にはすっかり器が整えてあり、お茶人としては当然のお心入れとは言え、こちらとしては恐縮です。道具の結構も有難いことですが、私ども
職人としては、こっちの仕事をやり易くしてやろう、というお心遣いが嬉しいのです。

 緊張の内に仕事はつつがなく終わり、ご社中皆様から「おいしかったよ」と仰って頂いて、ホッと一息。荷物をまとめいると、「気のおけない内々の集まりですから、どうぞ席中も
ご覧になって。 今、一服点てますから」と過分なお扱い。
職人というものは、どこまでも“影の存在”ですから、これには全く驚きました。

 女房のヤツは、もとより諸々のお道具が拝見したくてウズウズしています。従いて来てくれた「助手クン」だって思いは
同じ。私だってそれは同様なのですが、こんな仕事着でお席へ入ろうなんて、考えてもいませんでした。
 しかし、「いえ、もう最後のご挨拶もした所ですから、どうぞ」と重ねて勧めて頂けたのを幸いに、三人しておそる
おそる・・・

 いやー、見事なものでした。 社中の皆様の気持ちのよい
雰囲気も、先生のお人柄の反映ですなぁ。 全く、職人冥利に尽きる仕事でした。

 
 それが正月の終わりころのことでしたのに、それをご縁に、何くれとお声をかけて頂き、ほぼ毎月替わる、お道具組みを
拝見に伺う、という幸運、光栄に浴しているいます。
人との出会いというのは、本当に有難い。
 人様の深い蓄積の傍に佇ませて頂ける幸せの、何というぬくもりであろうかと思うのです。
これぞ「茶縁」とでもいうのでしょうなあ。













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