「結」のスケジュール

2018年 6〜8月の「結」
 

・6月30日(土)   11:00〜  表千家 土田宗京 初級・中級クラス稽古

・7月 6日(金)    13:00〜  裏千家 飯島宗章 上級クラス稽古 (若干名 募集中)

 

・7月20日(金)   18:30〜   倖三の料理教室 in "結” 

                     *初めての方のご参加を歓迎します お問い合わせ下さい

・7月22日(日)   11:00〜  表千家 土田宗京 初級・中級クラス稽古

・7月22日(日)   13:00〜  田町 男女共同参画センターにて  倖三の料理教室

・6月29日(金)   18:30〜  「扉」すずしろ句会  兼題「夕凪」

・7月27日(金)      18:00       「扉」すずしろ句会    兼題 (6/29に決定)

・8月24日(金)      18:00       「扉」すずしろ句会    兼題  (7/27に決定)

 

・7月 5日(木)   18:00〜  内田康太の書の教室 (臨書の稽古) 7月の第1回 

・7月24日(火)    18:00     内田康太の書の教室   (小筆に馴染む・手紙の言葉)7月の第2回    

・8月  4日(土)      18:00       内田康太の書の教室                                             8月の第1回    

 

 

 

 

    7/29(日) 裏千家 飯島宗章  茶事 開催  6/27  現在、若干名のゆとりがあります。

                              興味のある方はお問合せ下さい。

 

  裏千家茶事勉強会は、前日の懐石準備、道具準備からご参加頂けます。生粋の職人の料理が
  作られる過程を見る貴重なチャンス!  ご参加下さい。

        各教室共、 興味を持って下さる方は 当HPお問い合わせ窓口からどうぞ。


初風炉の頃

  今年も釣釡を取りおろして、炉を閉じました。夫にも手伝ってもらいます。

軸を選ぶ、玄関から茶室周りの「室礼」を工夫するのは、料理人・倖三の大の愉しみなのですもの。

 

風炉に入れ替える準備は、心楽しくもあり、炉との別れに一抹の寂しさを思う時でもあります。

 

しかし、「初風炉のころ」というのは、一年で一番空気と風の色が明るい、実に美しい季節です。

青葉若葉の色と光が座敷の中まで差し込んで来て。

 

まずは道安風炉を出しました。 風炉になって。私が緊張するのは灰を押すこと。茶人(私は生涯、

そんな域には行き着けますまい。唯、好きで先輩を見習っているだけの者ですが)の修業の内でも、

なかなかに大変なのが灰型なのだそうです。 私は唯、せっせと練習している段階。それでも、

何とか、形だけは真似事でも整えませんと、稽古が始まらない。 何度も崩しては押してみる。

上手な方のは、本当に見事に美しい。ため息が出るだけです。 でも、何事もよい手本を見ている

ことが何よりですから先生のお稽古に伺う度に、ため息と共に目を皿にして・・・

 

そうこうするうちに、他流の稽古も始まって、いろいろ「見物する楽しみ」も増して行くわが家です。

 

表千家は初級と中級の入口まで、 裏千家は上級のお稽古。各コース、まだ若干名のゆとりがありますので

ご参加希望の方は、当HPの「お問い合せ」からお申込み下さい。

                           


お茶事が好きな方へ

今回は、包丁人・倖三の女房・京子からのお誘いです。

 茶道を学ぶ方にとって、「茶事」は最も楽しい催しだと思います。  
でも、自分で催す・となるとちょっと二の足を踏んでしまい勝ち。だって、道具をそろえるのは大変だし、心を一つにして動いてくれる仲間がそう簡単には見つからない・・・ 中でも懐石料理がちゃんと作れるかしら・・
考えだすと、なかなか足が前へ出ませんね。 

「招んで頂くんなら嬉しいのだけれど」という声も聞きます。
しかし、茶事は「催すこと」の方がずっと面白いのですよ。確かに、必要な道具の数はかなりなものです。そろえるのも大変なら、しまっておいたのを出して使い、その後の片づけも労働ではあります。それでも、やりたくなってしまう魅力が「茶事」にはあるんですねぇ。

でも、方法はいろいろあると思うのです。足りない道具は持ち寄って、とか。

 私の場合は、実母が大変熱心にこれに取り組んでおりましたから、一通りの道具を持っていたことが一番大きな動機でした。
60
の声を聞こうとする頃になって母が他界し、さて、このお茶への執心の後をどうしよう、と。 

私自身、若い頃からお茶そのものは好きで、母の許で一通りの点前の稽古も致しておりました。又、やはり好きだったのでしょう、学生時代には母のお師匠様であられた表千家の重鎮・数江瓢鮎子先生の許へ連れて行ってもらったりも致しました。先生のお講義が大好きで、ほんの数回ですが、親しくお話を聞く折を得られたことは、今にして思うと何という幸せであったか、と思います。

母は、私たち子供が「数江教の信者よね」と笑っていたほど、熱心に先生のお茶事稽古に通っておりました。
一人だけの女の子であった私は、母がお稽古から帰るとは、興奮して語る「今日はこうだった」「先生がこう仰った」という“口頭復習”にいつも付き合わされたものでした。将に「門前の小僧」。

私の10代は、専門の音楽の勉強に唯々忙しく、寸分の暇もないと言いたいほどの日常でした。音楽の修業というのは、誠に時間を喰うものなのです。ピアノを毎日3〜4時間、大学受験となってからは、専門の作曲実技に要する時間と来たら・・という具合で。 又、大学生活も大変厳しいものでして、何とか落第しないで卒業するのに必死。さて社会人になり、結婚、子育てと目まぐるしい20代から30代前半にかけて。それでも夏の「表千家茶道大学」(新宿の柿伝で行われていたそれは、講師陣も素晴らしく、とても充実した内容でした。)に参加したのはとっても楽しい出来事でした。
 
 それから長い空白期間が有りまして。母の熱意をすぐそばてみていながら、庭の草取りを、申し訳程手伝ったくらいしか「茶事」には参加しない(出来ない!)不肖の娘・の見本だった私が。
母の没した事を機に、「60の手習い」もいいところ、お茶に執心し始めたのですから、人生は解らない。
 紆余曲折はあったものの、現在は大変素晴らしいお師匠様に恵まれて、楽しく、楽しくお茶の勉強をさせて頂いています。
私の先生は、毎年2回、茶事を催して下さいますし、誠に行き届いたご指導と、心温まるご薫陶に唯々感謝。先輩方も、こんな「遅出」の後輩に優しくして下さいますし。
 
 こうした有難い環境に恵まれるようになった私に、次なるきっかけが与えられたのです。現在、「結」において、年に数回の茶事を指導して下さっている、飯島宗章先生との出会いです。 先生は裏千家の方ですが、その茶事に対するご熱心とご修業の深さは素晴らしい。そして、わが家には懐石料理を作るのが大好きな料理人が控えておりました。
 
夫・倖三は本当に料理を作るのが好きなんだと思います。特に懐石は、材料の選択、調理、お茶の作法との兼ね合いなどなど、気働きの多い仕事だと思うのですが、まったく苦にする様子もなく働きます。
このことに支えられて、「飯島社中」とも言うべきお茶事好きのグループが出来ました。
 お流儀が違うというのは、こんなに細々と違うものか、と目を見張る事のみ多い日々が5年近くも流れまして。 やはり、自分の流儀でやってみたくなったのです。自分のお師匠様にも細かくご指導を頂きながら、ヨチヨチと歩き始めました。
 
 茶事の本義は、元よりお茶を美味しく頂くこと。しかし、懐石料理を頂く楽しみも、実は大きなウェイトを占めているのではないかしら。
その懐石が作られていくプロセスを、きっちり見せてくれる茶事の現場、と言うのは滅多にありません。 これが私には大変な幸いをもたらしてくれています。「お料理を作る所も見られるの?」という声です。
ある友人がつぶやきました。「ホント、茶事って、経験した回数でしか力が積み上がって行かないのよね。」と。まったくそう思います。
 
 倖三の懐石が生まれる現場に身を置き、かつ、茶事の準備の諸々をご一緒に修練しようとお思い下さる方、
どうぞご参加下さい。

 
 次回は 2015.9
月6
を予定しています。

 

これを書きましたのが2015.7.29.のこと。  その後も順調に表千家、裏千家、共に茶事の勉強会は続いており、次の会は

裏千家・・2017.4月1日と2日。   表千家・・4月23日です。 興味のおありの方、どうぞお問い合わせ下さい。
 
 
 


裏千家・初釜の茶事を致しました

2017.1月29日。 去年10月の「名残の茶事」以来、3か月ぶりのお茶事です。

 

今回は大分遅めになりましたが、「初釜」ですから、お道具立てもおめでたく。

いつものことながら、前日の準備から大賑わい。夫・倖三は朝早くから買い出しに。

私は、道具を倉庫から出すのがお役目。これが細々としていて、結構厄介な仕事なのです。

この茶事教室も始まってから早くも満7年を経過。8年目に入りました。

かなり慣れたとは思うものの、やはり毎回緊張します。

 

前々日の夕方、お願いしてあった「青竹が用意できました」との友人からの電話。

この素晴らしいお友達には、これまた素敵なお兄様がいらして、毎年、初釜の柳を

挿す、青竹の筒を妹さんの為に作って届けて下さるのだそうです! いいなぁ〜〜〜

 

で、私はそのおこぼれに与って。いそいそと、駒込まで頂きに上がりました。戻ると

一番早いお弟子さんがやって来て、庭を整える手伝いをしてくれた。これが有難い。

冬は楽ではありますが、でも、一人で黙々とやるよりも、若いパワーに助けて貰って、

だと一層元気が出ます。

 

13:30、続々と助っ人登場。ご指南様の飯島先生が山のようなお道具と共にお着きに

なると、いよいよ茶室が華やぎます。「心利きたる一番弟子」が見事に取りさばいて

段取りが出来て行く。こういう時間が楽しいですねぇ。

台所では、夫の料理が進んでいます。こちらにも助手が2〜3人。まあ、賑やか。

私はせっせと事務仕事に専念出来て有難い。

 

さて、一夜明けて。庭を見回り、掃除の上にも掃除をして、水撒き・・諸々の仕度に

落ち度がないかを点検。私の茶事ではないので、細部は先生とお弟子さん方が整えて

下さるのですが、私の役目は「OOが出てないんですぅ!!!」とか、「使うお器が

変わりましたぁ。OOの鉢はどこですかぁ?」の絶叫に対応すること。

これが結構神経を使います。

 

で、いよいよ始まります。今回のお正客は静岡からお見えになる男性。袴の男性が

正客に座って頂くと、なかなかいい雰囲気です。

 

とても和やかに、とても粛然と、いいお茶事でした。

 

次回は4月の1日、2日の土・日に、2組に分けて行う事にしました。

嬉しいことに段々、参加希望者が増えて、1組では入り切れなくなったからです。

 

まだ決定ではないものの、何ですか、先生は素敵なご趣向をお考えのようですよ!

ご希望の方は、なるべく早めにお問い合わせを頂きますように。

お待ちしています。

     2017.1.29.   “結”  副主宰   土田京子(宗京)


着物を着よう!

この所、”結” の表千家茶道教室では、酷暑にもめげず、楽しい風が吹いています。
「着物を着よう」という風が。

着付けの免許を持っている「つるちゃん」が、お茶に復帰してくれたのが大きかった。
彼女は以前、お茶を嗜んでいたものの、何年間か強烈に忙しい勤務についていたのでした。
それが、まぁ、何とか趣味ごとも楽しめる状況になって。

加えて。これも仕事、子育てにと大奮闘だった「みちさん」が諸々の状況がちょっと一段落。

「お茶を始めたい」から「どうせなら着物を着たいわ。娘時代に楽しんでいたように」という

気持ちになったのです。

7月24日、私どもではお茶事を催しました。「朝茶の趣向」。このことも着物ブームに

追い風になりました。その次には、私の趣味で「たまにはお芝居を見にいかない?私、20歳の

頃からの”三階サン”なのよ!」「なんですか、その”三階サン”、て。」「歌舞伎座の三階は

席のお値段が他より安い。それで、本当に好きな人は、そこへ通い詰めるのよ。“中村屋!!”

って声をかける人は必ず三階から、なんだから」「へぇぇ、そういうもんなんですか。先生も

声をかけるんですか?」「いいえ、あれは男の声でなくちゃ。稀に女の人もいるけれど、私には

そんな度胸はないわ」「わぁ、行こ、行こ!」と言うことになりまして。

 

9/4、皆で我が家に集合して、ワイワイ言いながら着物を着付け、しゃなり、しゃなりと

出かけました。歌舞伎座はやっぱりいいですなぁ。着物の勉強にもなります。実に素敵な取り合わせ

のお召し物を、それはきれいに着こなしたご婦人がいらっしゃる。役者の奥さんたちを見るのも

楽しみです。私の大好きな吉右衛門さんが座頭で、おじいさんの初代吉右衛門の雅号を取った

「秀山祭」。久しぶりにたっぷりと「吉野川」を見物し、玉三郎の貫録ある女形の芸を楽しみました。

 

そして、次は連れ立って骨董市へ出かけたんです。みちさんが、着物に合う帯を買いたい、というのが

眼目。人のものだって、衣装を見立てるのは女にとってはなんとも言えない楽しみです。みんな、うっとり

して。 なかなか思うものには出会えなくて、諦めかけた頃、あった、ありました! こういう所が

たまらないのよねぇ。買い物って。夫・倖三も料理人は、ものの取り合わせには長けていますから、

なかなか面白い意見をさしはさみます。すっかり上気して、買い物を終え、各人それぞれの「戦果」を

大事に抱えて、家路についたのでした。             

 

「着物を着たいからお茶を習う」という人もいる位ですから、こういう楽しみ方もお茶にはあっていい、

と思います。

しかし、まぁ、そればかりではいけません。お点前もきちんと覚えて、早くお茶事で、一点前でも披露

できるようにならなくっちゃ。と一同気を引き締めたことでした。                  

                               2016.9.22. 土田宗京 記

 

 

 

 


初釜の季節

年が改まって、早くも如月。と言っているうちに弥生も迫って来よう、と言う頃ですが。
お茶を楽しむ人々にとって、お正月は「初釜の季節」。私の先生のお初釜も例年の如く、清々しい蹲を遣わせて頂くことに始まり、
お心入れの小間のしつらえを拝見し、と諸先輩の先導で厳粛に始まりました。続いて先生方お手作りのお雑煮にお重箱が出て、
普段のお茶事よりも少し寛いだ雰囲気。やはり、お正月はいいなぁ〜〜と。

先生から、お家元での初釜のご様子など伺いながら、私なんぞは、拝見する折もなく終わるだろうけれど、きっと素敵なんだろうなぁ、と想像を膨らませて。

続いては、自分の家での初釜の茶事。随分慣れましたけれど、自分で主宰する茶事というのは、やはり緊張します。
しかし、ニンゲン、緊張する機会というのは大切です。柱と頼むパートナーと二人で、駆け回り、知恵を絞りまくり・・・
この緊張感と「忘れ物はないか・・」 頭をフル回転させること、は老化防止にはとってもいい、と思います。
何度やったって大小の失敗や、「あぁすりゃよかった」だらけです。で、いつも相方との反省の弁は「後、もう2〜3回、
準備稽古をするべきだったわねぇ」と、同じため息の繰り返し。でも、素晴らしい若い仲間が、ある時つぶいた言葉。
「お茶事はやってナンボ、ですからね。とにかく、数を重ねているうちに、だと思います」これを励みに、又、春の茶事に
挑みます。

 

ミラノ・クレモナ・パリ  その

ミラノ・クレモナ・パリ そ
 
ミラノ万博の見物を終えた我々は、1日だけ残ったイタリアの休日を使って楽器の街「クレモナ」へ出かけました。ミラノから列車で1時間ほどの日帰り圏。音楽好きな方なら誰でも耳覚えしている街、クレモナ。そこは
ストラディバリウス、アマティ、ガルネリなど弦楽器を弾く人すべてにとって魂を天上へと誘う楽器を作り出した人々が住み、活躍した街なのです。

弦楽器は聴くだけ、の私だってこういうチャンスを逃すテはない、という訳です。倖三クンは何が何だか解らないんだけれど、「行きたくない」なんぞと言おうものなら・・という事で、同行します。
 
 6月5日、この日も北イタリアは快晴でした。何たって、旅で有難いのは天気がいいこと。「お天気屋」という言葉がありますが、特に旅に出た時の幸・不幸は天気に左右されますナ。この日も朝から抜けるような青空が広がり、旅人を幸せにしてくれました。汽車の旅は楽しいです。広がる山野と麦畑。俳句に「麦秋」という季語があります。日本では初夏、麦がたっぷりと熟れて、刈取りを待つのみ、という時期のことです。将にこの季語を満々と思い出させてくれる風景。俳句をひねったり、何が見えたの、何が咲いているだのとたわいもないことを言っているうちにクレモナに到着。
 町の中心は駅から10分程歩いた所らしい。歩いていると、高校生かな、という年頃の若者がどっと吐き出されてくる。どうやら昼休みの時間のようです。
「家へ帰ってお昼を食べるのかしら」「う〜ん、そういう話は聞いたことがあるけれど、お母さんたち、大変だよなぁ」なんてこちらの会話が相手方に通じないのは、実に気楽です。それにしても坊やも娘たちも美しいねぇ。どこの国でだって、若者は美しいのですが、目の当たりにするとますます感嘆してしまいます。若さが眩しい、と
言うことは、自分らが若くなくなったということ。ハイハイ、そうですわね。

 中央に着くと、楽器博物館を探します。稀代の名器が集まっているというのですから、期待が高まります。
なかなか近代的な建物でした。英語の説明も丁寧で、楽しめる。「宝石箱」と名付けられた一室にはヴァイオリンを弾く人たちには、よだれがタラタラであろうと思われる、選り抜きの楽器が並んでいます。へえぇ〜〜、の連発で通り抜けまして。

出会ったのが大きな玉ねぎのような形の不思議なお部屋。入口には扉もなく、中は薄暗い。何だかとってもいいヴァイオリンの音が聞こえて来るので入ってみました。ベンチに座って天井を見ると。DVDが流れています。一組のヴァイオリンとピアノの奏者が「今、弾いている楽器はOO製ストラディバリウス誰それの作品」とか「こちらはアマティ・・・」といった具合に、聴き比べが出来るのです。
これはよかったですねぇ。将に陶然として聴き惚れてしまいました。
 
 街をぶらついていると、楽器を抱えたお嬢さんが吸い込まれて行く家から弦楽器の、いい音がする。つい、覗いてしまったらこれが楽器作りの工房でした。彼女は魂柱(ヴァイオリンの中に立ててある柱)の具合が悪いので調整して貰いに来たのだとか。イタリア語は全く分からない私たちですが、お互いに
あまりうまくない英語で何とか様子が解りまして。何だかこの街へ来た甲斐が
あったような気分になりましたよ。
 
 翌日は朝からバスで空港へ行き、パリへ飛びます。欧州内は一回だけの飛行機の旅。今回の旅の移動は、友人の車でだったり、1日がかりでブルゴーニュからイギリス・カンタベリーまで走ったりと、列車の旅が多いのですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ミラノからパリへ

ミラノ万博を見学した私ども、一日出来た休日を使って楽器の街・クレモナを訪ねました。
ミラノからは列車でわずか1時間。日帰り圏内です。

行って来ました! ミラノ万博

2015.6月3日。ミラノは快晴でとても暑かった。中央駅のすぐ傍に宿を取った私たち。地下鉄で万博会場までおよそ30分です。駅を出て、大勢が歩く方向へついてゆくと入場券をチェックする場所があり、ネット予約でしかない私共は「あそこのコーナーで入場券と取り換えてきて下さい」と言われる。ハイハイ、と列に並ぶ。が、開場時間になっているというのに、ずらり並んだPCの前には人影がない。あぁ、イタリア!時間厳守じゃないのね。待つ。やっと番が来た。若い、いかにも「研修中」といった感じの青年が担当。私の差し出す予約票を睨んで真剣な顔で,キーを叩いていたが「マダム、あなたの予約が確認できないのです」「そんな筈はないでしょう!!!私はちゃんとネットで予約し、クレジットカードで決済もすましてある。そこにその受け取りもあるじゃないの!!」
きっとこめかみには、青筋も立っていたんじゃないかしら。私の剣幕に驚いて、脇からベテランが加勢に入り「申し訳ないのですが予約が確認出来ないのです」「じゃあ、その理由を教えて下さい。責任はどこにあるのですか?私が予約を入れて、お金を払った
アリタリア航空のミステイクなの? 私ははるばる日本から、今日、間もなく始まる友人のプレゼンテーションを見る為にやって
来たのよ! 間に合わないじゃないの。どうしてくれるのよ」こういう時はガンガン叫ぶのです。英語の巧拙なんかにこだわって
いてはいけません。喧嘩は勢い・ですから。負けちゃあいけない。

結果。「あなたがお支払いになったことはこの受け取りで証明が出来ているので、今、あなたのクレジットカードにご返金しますから、誠に申し訳ありませんが、もう一度ここでお買い求め頂けませんか」「まぁ、仕方がないわねぇ。で、私が買った値段と同じ
なの?
」「いえいえ、こんなご迷惑をかけたのですから、この値段では如何でしょう。ご納得いただけますか」と、きわめて丁重なご挨拶。提示されたのは、正価から見るとかなりな割引率。うむうむ、それなら払いましょう、と。しかし、ね。後でクレジットカードに返金されているかを確認する日までは、喜んじゃいけませんけど。 外国旅行というのは、このテのトラブルは
日常茶飯事。こういう小さなケンカを楽しむ位にならないといけません。

さて、やっと入場。荷物検査の長い列に並ぶ間も太陽はじりじりと照り付けます。でも、お客さんは楽しそうで、イライラする様子もなく並んでいる。とにかく、いろんな人がいます。
私はこういうのを見るのが大好き。ツァーで来れば別の入口からサッと入れるのかも知れないけれど。
 
 会場内には中央に大きな通路が通っていて、日本館はほぼどん詰まりに近い、と友人から聞かされていました。歩く。歩く。通路の上は高いテントになっていて、イタリアの太陽から人々を守ってくれます。左右に国旗が立ち並び、国名を確認しながら進む。へぇえ、世界は広いわねぇ。聞いたことはある国名だけど、どこにある国だったっけ。なんて倖三と話しながら進みます。それぞれに意匠を凝らして人気を競っています。道の真ん中に、所々展示スペースが設けられていて、魚、肉、野菜の飾り物が面白くディスプレーされている。なかなか、凝ってますなぁ、と楽しく見物。右に左に現れる食べ物屋台にいちいち引っかかりそうになる倖三のシャツの裾を引っ張り戻しながら前へ前へ! だって、彼が大変な思いをして作り、盛り付けた料理をディスプレーしたプレゼンテーションを見逃しては、元も子もありませんから。左右のパビリオンからは、選りすぐりの美女たちが「美味しいわよぉ、ちょっと
試食してみて下さいな。中に入ってゆっくり召し上がって下さると、もっと楽しいわよぉ」と呼び声しきり。倖三ならずとも、引っ掛りそうになるのですが、お祭りの夜店に連れて来てもらった子供を追い立てるごとく、急ぎます。
 
やっとたどり着いた「日本館」。入口は二つありまして、本体への入館を待つ長い列と、自由に入れる「イベント広場」へのルートに分かれます。素晴らしい松の大盆栽を中央に眺めながら広場に入ると。日本料理屋さん風な店、カレーを出す屋台などがあり、
ステージが設営されている。なかなか立派な演出です。「日本の食卓・日本の食器」という題でのプレゼンテーションは沢山の聴衆を集めて盛会でした。倖三の料理も、とてもきれいな写真に仕上がっていて一安心。

 
 3回程のプレゼンテーションの合間に、すぐ隣のロシア館をまず訪問。超大国ロシアですが、今回は「食の万博」ということで、あの広大な国で採れる穀物(現物らしい)を地図のエリアごとに薄い壁のようなショーケースに落とし込ん展示する、という面白い
工夫。
 
 地元・イタリア館は元より広大なスペースを占めていて、ビールやらお得意の食べ物を宣伝販売している。別棟のワイン館はものすごい数のワインが並んだショーケースを設営して、試飲を呼び掛けています。開催国だけあって、気合が入ってます。唯、試飲のお値段がちょっと高いのが玉に傷!
 
 万博・というものに初体験の私たち、まったくの“おのぼりさん”状態で何を見ても珍しくキョロキョロし歩いたのですが。ここで感じたことは、「なるほど、万博とは将に国威高揚、国力誇示の場でもあるのよなぁ」ということでした。まずパビリオンのデザインの魅力、規模、運営の力・・・ すべて国の経済力の反映だ、ということでした。
 
 そうした中で、日本館の中身は大変立派なものでした。 「うーむ、やりおるわい」という感じです。映像とディスプレーのエンターテイメント性、内容の充実。着想がシャープだし、言いたいこと・の持って行き方もうまい。制作者たち優秀だわ、と本当に感心しました。お金もかけています。これは大切なポイント。かけるべき所には、しっかりお金をかけないといいものは出来ない
からです。
加えて、コンパニオンたちの真剣な努力には感心しました。
 
 帰国後、読売新聞に大きな記事が出た。曰く、「ミラノ万博で日本館の評判が上々だそうな。“入ってみたいと思うパビリオン”のトップに挙げられ、“ここを見たことにより、訪ねてみたい国”
のトップにも挙げられた」と言うのだ。しかも。「そのもてなしにおいて他の追随を許さない。自分のことよりも相手のことを先に考える精神は他には見られない素晴らしい点だ」と。 大阪の俳句仲間の女性が、日本館でコンパニオンとして働いており、その彼女の事前情報の詳しさ、かゆい所に手の届く、現地でのご案内に大感激、大感謝、であった倖三と私は、本当にこの記事が嬉しかった。「やまとなでしこ」は女子サッカーだけではありませんで、万博という世界への発信チャンスの場で、十二分にその力を発揮していたのでした。
 
 
 
 
 
 
 

新春の京都を歩く

新春の京都を歩く               文責: 京子

お正月の気分もだいぶ薄れた1月13日、私は思いがけない経緯で新春の京都を歩く幸運を得ました。
月に一度、私は仕事の旅に出ます。 名古屋・京都・大阪・博多と廻るのです。
しかし、この月はこの時期特有の事故が。「すみませ〜ん、インフルエンザの直撃くらいまして」「子供がインフルエンザで。私は、どもないんですけど、熱の高い子を置いといて、出る訳にも行きませんで・・・」はい・ハイ、ゆっくりお休み下さい、としか言いようがありません。しかし、直前のキャンセル位

困るものはありませんでね、カリカリしてるんですが、かと言って、明日の夜には、大阪の生徒が来る訳だし、東京の家へ帰る訳にもいかない。 こういう時は生来の楽天家が顔を出します。
じゃ、冬の京都の寺巡り、行ってみようか! 

というんで新幹線に飛び乗って京都へ。さすがに人は少ないですナ。ロッカーに荷物を預けて案内所へ。客の少ない時期を乗り切る特効薬、「京の冬の旅」という企画が行われていることは知っていたからです。
20数年も通いなれた京の街、「どの道を通る何番のバスに乗って、どこで降りろ」と言われれば、大体自分の立ち位置は解ります。で、狙ったお寺は「本法寺」。法華宗のお寺で、本阿弥光悦の父と開山の日親上人が肝胆相照らす仲となったことから、本阿弥家の菩提寺になった、とのこと。



バスに運ばれて降りた所は、堀川・小川町。表千家の家元へ行く時に降りる
バス停です。私はまだ入れて頂くような者にはなっておりませんが、この辺りは茶道具やさんも多く、前に何度か道具屋へ来たことがありました。
堀川通りと小川町の角に「表千家会館」があります。大きな大きなウィンドーに飾られた大王松があんまり見事なので、ちょっと入ってみました。
華やかな新春の飾りつけ。こういうのを見るだけでも気持ちが大きくふくらみますね。中の展覧は、千家十職の家々が、新年のおめでたい作品を出しておられます。永楽家の「たけのこ」の意匠の皆具! 美しかった。しばし眺め入ってしまいました。
 
袋物師・土田友湖家出品の出し袱紗。それは見事な塩瀬の地にめでたい意匠のそれは、普段、私共が手にし、使い慣れている物とは少々出来が違う、ということがウィンドーのこちら側から感じられる逸品でした。
 
 ふらりと歩いて、こういう物に会える「お散歩」は実に楽しい。
 
 ほんの少しで表千家・家元があります。写真で見ていた建物を眼前に見ると一寸緊張。おまけにその日はどうやら「初釜」が行われているらしく、門の前には整理の方の姿が。又、大きく開かれた門の中では高張提灯と
幔幕が見え
その辺りでは受付が行われている模様。「へぇ〜〜、常々先生に伺っている、これが京都・家元での初釜かぁ」と、隅っこの弟子・と致しましては雰囲気のお裾分けを頂戴して来ました。
 表千家御門の前に「千利休居士遺構」の碑。
 
少し歩くと裏千家があります。こちらには「千宗旦遺構」の碑。
なるほど、ナルホド。 茶道史のお勉強会で教えて頂いたことを思い出す。
そうそう、三代・宗旦から別れたのか・・・と。
 
 さて、本法寺。静かな境内に人の影は少なく、オフ・シーズンの寺巡りはいいですねぇ。学生さんの
ボランティアガイドが初々しい。8年前まで教えていた同志社女子大学で、学生がこの「ボランティアガイド
試験」に挑戦して
いた姿を思い出しました。歴史の街・京都ならではのこの制度、いいですねぇ。
唯、売り物の筈の長谷川等伯筆「涅槃図」がレプリカであったのが残念。
三大「涅槃図」と言われる名品だそうですから、そうそう本物を出せないのは解るのですが、(3月15日の
釈迦入滅の日を中心に、本物を公開するそうです)
このレプリカの質が悪い!ちょっと問題ですね。
 
 と、まあそんな具合の寺を出て、もう一つ近くに廻るつもりが、3時20分
ともなると、冬の日差しは妙に寂しくなって来ましてね。まぁ、あんまり無理をしないで大阪の宿へ、と思い
直してバスに乗りました。

 
 毎月の関西通いながら、常は全くゆとりがなく、東京から新幹線で着いたらまっすぐ仕事場へ入り、時間に
追われて京都市内をかすめて大阪へ、なのです。今回の「キャンセルの山!」もこういうプレゼントをもらったと思えば、悪い事ばかりではなかった訳で、たまには、これもよろしい。

 
 


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